尿失禁の手術について知りたい!

尿失禁で手術になる場合は、どんな状態の時なのでしょうか。
また、どのような方法で手術をするのでしょうか。尿失禁の手術についてまとめます。

尿失禁の手術はどういう場合に受けるの?

尿失禁は、すぐに命にかかわるような病気ではありませんが、日常生活に支障をきたし、
患者さんの生活の質(クオリティオブライフ)を低下させる症状です。

そこで、治療が行なわれますが、膀胱訓練や薬物療法を開始しても、
なかなかそれだけでは改善がみられないというケースもあります。
そういう場合には、手術という選択肢も出てきます。

但し、尿失禁の中でも咳やくしゃみをした時に漏れてしまうような女性に多い腹圧性尿失禁タイプの場合に適応となります。
切迫性尿失禁の場合は不適応になります。

腹圧性尿失禁の手術方法とは?

腹圧性尿失禁の手術において、最もよく行なわれる方法は、「尿道スリングテープ手術」といいます。

手術方法は、鎮静剤で麻酔をかけ、産婦人科にある内診台のような診察の体位で行います。

尿の出口近くの膣壁を2cmほど切開し、膣の裏を両側にはがしていきますはがした場所にメッシュテープを挿入し、
テープの端を下腹部から引き出します。

腹圧がかかったときに尿道が下がらないように恥骨側にテープで尿道をつり上げて支えるというのがこの術式で、
TVT法とも呼ばれます。

手術は30分程度で終わり、自分で排尿してみて異常がなければ、概ね2泊3日〜3泊4日の入院となります。

また、最近では、TOT法という、TVT法よりもさらに安全性の高い術式も出てきました。

TOT法は、膣壁と両足内股の付け根3カ所を小さく切開し、尿道と膣の間にテープを通して尿道を支える術式です。
TOT法よりも尿道をしっかりと支えられる方法になっています。

まとめ

今回は尿失禁の手術についてご紹介しました。

腹圧性尿失禁の手術は、他に精神的な尿トラブルなどがない場合、
90%の人が手術で改善していると報告されています。

再発が少なく、痛みも少なく、そして入院日数も短くすむ手術方法なので、
薬物療法で改善が見られない場合は、医師に相談してみるのも尿失禁改善への手段の一つですね。