女性に多い【腹圧性尿失禁】とは??

尿失禁の中でも腹圧性尿失禁は、特に女性に多く見られます。
腹圧性尿失禁とはどういうものなのか、なぜ女性に多いのかを詳しくまとめます。

腹圧性尿失禁とは?

重い荷物を持った時、急に立ち上がった時、くしゃみや咳などをした時にお腹に圧力がかかり、
尿失禁を起こしてしまう状態を腹圧性尿失禁と言います。
日本泌尿器科学会のデータでは、女性の4割を超える2000万人以上がこの腹圧性尿失禁に悩んでいると報告されています。

女性に腹圧性尿失禁が多いのはなぜ?

女性に腹圧性尿失禁は多いのはどうしてなのでしょうか。
その理由は、次の3つが挙げられます。

1、尿道が男性に比べて短く、前立腺が存在しない 男性は、尿道が約25cmありますが、
女性は尿道が短く約4cm程度しかありません。 そのため、尿失禁が起こりやすいのです。
また、前立腺がないので、尿道を締める力が男性より弱くなっています。

2、骨盤底筋群が弱い 尿道、直腸などを支えている骨盤底筋群という筋肉は、男性にも女性にもありますが、

女性の場合、出産を経験すると骨盤が開くことで筋力が低下しやすくなります。
また加齢によっても筋力が低下してきます。 そのため女性は男性よりもいっそう緩みやすく、尿失禁が起こりやすくなります。

3、膣や子宮の存在 妊娠や子宮筋腫などの婦人科系の疾患によって子宮が膀胱を圧迫すると、尿失禁を起こしやすくなります。
このように、女性は男性よりも体の構造上、腹圧性尿失禁になるリスクが高いのです。
他にも便秘傾向の人や、職業柄腹圧がかかる仕事をしている人も腹圧性尿失禁が起こりやすいリスクファクター
を持っていますので注意しましょう。

まとめ

今回は、腹圧性尿失禁についてご紹介しました。

腹圧性尿失禁が女性に多いのは、女性の体の構造上の理由でもあったのですね。
泌尿器科の外来でも腹圧性尿失禁の人が多くおられます。
仕事や生活に大きな影響を及ぼす前に、尿失禁が気になったら早めに受診しましょう。